お知らせ

印刷業界専門紙「印刷ジャーナル」に掲載されました

印刷業界専門紙「印刷ジャーナル」に掲載されました

 印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙「印刷ジャーナル」2023年01月01日発行分に弊社の記事が掲載されましたのでご紹介させていただきます。是非ご覧ください。


中小企業、これからの組織づくり
初心者向けDXセミナー開催
具体的なDX化事例と効果など紹介

 中小企業のDX推進を安価に支援する(株)コンフォーム(宮野真一CEO)は2022年12月6日、大阪商工会議所において「DXをはじめよう!今からでも遅くない!中小企業、これからの組織づくり」をテーマにセミナーを開催。DXに興味を持ちながらも導入に踏み切れていない中小企業の経営者、幹部社員などが参加した。当日は、ITに詳しくない中小企業に寄り添う「DX学校」の梅崎健理校長((株)ディグナ代表取締役)がDXの基本について説明した後、DX学校 大阪中央校を運営するコンフォームの宮野氏が具体的なDX化の事例と効果について説明。DXに取り組む必要性を再確認するセミナーとなった。

DXとは「幼虫」が「サナギ」になり、「蝶」になるようなもの

 「DX学校」は、全国に50校以上を展開しており、昨今は毎月5拠点以上のペースで開校している。DXへの取り組みが、いかに急務となっているかが伺える。今回のセミナーは、「DX学校 大阪中央校」の開校を記念して開催されたもので、DXの基本的な知識を学べるものとなった。
 梅崎氏ははじめに、DXの国民の理解度について2022年に国が実施したアンケート結果による統計を紹介。それによると、DXを理解している人は7・7%に過ぎず、多少は分かっている人を合わせても3割程度だという。また、同調査でDXに取り組んでいるという中小企業に、どのようにDXに取り組んでいるのかを回答してもらったところ、1位は「HPを持っている」、2位は「会議のオンライン化に取り組んでいる」、3位は「顧客データを一元管理している」という結果であったようだが、梅崎氏は「これらは単なるデジタル化であり、DXではない」と指摘。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、元の形が跡形もなくなり、新しい形に変わることであり「例えるなら、幼虫がサナギになり、美しい蝶に変化すること。これが正しいDXの考え方である」(梅崎氏)と説明した。
 「ITを使って現在のビジネスに変化を起こし、会社の売上や利益を伸ばす仕組みを作ることがDXである。ちなみに、現在とはまったく違うビジネスを始めるのは単なる『起業』であり、DXではない」(梅崎氏)

売るモノを変える、売り方を変える、売り先を変える

 そして、なぜDXが必要なのかについて、「時代の変化」、「人の気持ちの変化」、「技術の進歩」の3つの変化が起こっていることを示唆し、これらの変化に対応していくために、DXにより「売るモノを変える」、「売り方を変える」、「売り先を変える」の3つの変化が必要であると強調。
 「例えば、魚屋であれば、核家族化で1匹の魚が大きくて売れなくなったら、切り身を売る。これが売るモノを変えるということである。世界的なスポーツメーカーであるナイキは、特約店契約の販売を、直営店やオンラインストアでの販売にシフトした。これが売り方を変えるということである。また、売り先を変えるとは、卸売りから小売り、対面販売からオンライン販売により、国内だけでなく、世界中の人に販売していくということである」(梅崎氏)
 さらに、DXの推進は3つのステップで実行していくことが大切であることを示唆。「どのような業界にも共通して言えることは、今のビジネスが順調なうちに始めることが大切ということ」(梅崎氏)と指摘した上で、まず第1期では、現在のビジネスを効率化して売上と利益を最大化し、余裕を作る。DX準備期となる第2期では、従来とは違うヒト・モノ・カネが必要になるため、管理体制を構築する。最後の第3期でDXを実行するとのフローを紹介した。
 「数年後は今のビジネスをこのように変革したいという経営者の思いが大切である。DXの成功には、社員を巻き込んでいくリーダーシップが重要になる」(梅崎氏)

経営課題を正しく把握することが大切

 このあと、宮野氏に講師をバトンタッチ。宮野氏ははじめに、IT導入により実現できることとして、チャットなどによる社内コミュニケーションの円滑化やタスク管理、Web会議などができるようになり、朝礼のためだけに会社に行く必要がなくなることや、カレンダーの共有により情報の共有が可能になるなどのメリットを紹介。「当社では、日報の代わりにカレンダーにやったことを入れておくように指示している」(梅崎氏)。これにより日報を作成する時間コストを削減しているという。宮野氏は「まずは全員が恩恵を受けやすいことからスタートすることを推奨したい」。そして梅崎氏は「様々なアプリに手を出しすぎるのは失敗するパターン」とアドバイスした。
 このあと、中小企業のIT導入による成功事例として、ホテルや喫茶店などにパンを配送する「製パン屋」の事例を紹介。配送ルートや業務フローの見直し、伝票の電子化をはじめ、HPによる知名度向上、回転率の把握による稼働率向上により、ミス・ロスの減少と売上向上につながった事例を紹介。
 宮野氏は「情報の資産価値を向上させるための提案を行った。IT導入で成功するには、経営課題を正しく把握することが大切。また、経営課題とは短所を探すことではなく、強みを伸ばすことでもある」と成功のポイントを示した。

IT導入で売上は2・1倍になるとのデータも

 中小企業のIT導入が進まない理由として宮野氏は「人材がいないのが最大の原因」とした上で、IT導入士の初級講座を3ヵ月で取得できるというDX学校のカリキュラムを説明。さらに、DX学校の卒業後、DX学校 大阪中央校の独自サービス「DX応援団」の利用により、運用面までをサポートできるとして活用を求めた。
 最後に梅崎氏は「2016年のデータで、IT導入の有無で売上は2・1倍になるとの統計結果が出ている。国もIT支援をしている今がタイミング的にもチャンスである」として、すぐにでもITに取り組むべきだと呼びかけた。

TOP